3月最後の週末を利用して関西方面に旅行しました。行きも帰りも東海道新幹線で快適な移動。約40年前、幼稚園児だった私が初めて乗ったひかり号は東京・新大阪間を3時間10分で結んでいたと記憶していますが、今ののぞみ号なら2時間40分くらい。座席なども改良が進んでいます。でも、40歳を超えたあたりから新幹線の非常なスピードに怖さを感じることが増えました。「いつまでも安全走行を」と願うばかりです。
この新幹線を運行するJR東海(9022)は安定した収益力が光る銘柄ですが、昨年暮れに株価が急落したことが思い出されます。原因は「2025年に開業をめざす中央リニア新幹線の建設を自己負担で進める方針を決めた」というニュース。直前まで113万円だった株価は、報道直後の4営業日で計20万円超も下がりました。中央リニア新幹線ができれば首都圏と中京圏を40~50分程度で結ばれるそうですが、JR東海が約5兆円も自己負担して建設しようとするのを株式市場は疑問視したわけです。
日本経済が元気なころなら中央リニア新幹線に夢やロマンを感じる人は多かったでしょう。でも、今はどうか。東京・名古屋間はのぞみ号で100分くらい。個人的な感想を言えば「スピードはもう腹一杯」。多額のお金をかけるのなら別のところに振り向ける方が利用者の満足度は高まるのでは、と思います。駅ナカ活用や電子マネーなど日常生活と関連性の高い事業にもっと力を注ぐ方が利用者や投資家に評価されるのではないでしょうか。
もちろん経営陣には勝算があるはずです。しかし、多額の資金を大型開発事業に注ぎ込むプランを打ち出しても、受け手はクールに見ている。JR東海の昨年暮れの株価の動きはいかにも低成長時代を象徴するもののようでした。(編集長・Y)
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