東京証券取引所のウェブサイトを通し、「適時開示情報閲覧サービス」を毎日チェックしていると気分が滅入ることがあります。とにかく個々の企業が最近開示する情報は圧倒的にネガティブなものが多い。先週も業績予想の大幅下方修正や経営破綻の発表が相次ぎました。その中で最も私の印象に残ったのは25日の大引け後に出てきた、ジェネシス・テクノロジー(2473)の民事再生法の適用申請の発表です。
同社は新興株ブームの熱が強く残る2006年3月に東証2部に上場。その直後からほぼ一貫して下げ続けています。当時、マネー雑誌の編集部にいた私は、同社株を買った投資家を取材したことがあります。彼は「値動きが軽い小型株が好きだけど、(06年1月に起きた)ライブドアショックの後でリスクが高まっているので、手堅そうな東証2部のメーカーであるジェネシスを選んだ」と話していました。
『日経会社情報2008秋号』によると、同社は半導体検査受託大手。記者コメントでは業績不振や上場廃止の恐れが指摘されています。ただ、誌面の大株主のコーナーには神戸製鋼、アドバンテスト、横河電機など有力メーカーが名を連ね、取引先のコーナーにも東芝、ソニー、リコー、三井金属鉱業などこれまたブランド企業が並んでます。業績が悪化していなかった上場後まもない時期に買った前記の投資家が「手堅そう」と感じたのもうなずけます。
民事再生法の適用申請を巡り、どんな内幕があったのかは知りませんが、有力な取引先を持つ企業でも、業績が悪化すれば救いの手を差し伸べてもらえず、あっさりと破綻してしまうのです。『日経会社情報』で企業を研究する上での注目点として「一流企業と付き合っているかどうか」を挙げる投資家がいますが、それだけではとても安心できません。新興の不動産会社だけでなく幅広い業種で信用リスクが高まっていると強く感じました。(編集長・Y)
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