期待を持ちたい2012年
2011年12月 2日
「日経会社情報2012Ⅰ新春号」の編集作業も、ようやく終盤に差し掛かっています。作業中の11月25日には日経平均株価が年初来安値を更新しましたが、30日に日米欧の主要中央銀行が市場へのドル資金供給で協調することで合意。さらに中国も、3年ぶりに預金準備率を引き下げて金融緩和方向に修正し、世界的な金融システム不安がやや後退して株高が進みました。ただ、欧州債務問題が根本的な解決に向かっているわけではなく、今後も悪材料が飛び出せば相場が大きく動く状態が続きそうです。特に日本は世界景気の減速懸念に加え、一向に修正されない円高やタイ洪水の影響も重くのしかかっています。上場企業の業績回復スピードも鈍化しており、このままでは純利益ベースで減益で終わってしまう可能性もあります。
ただ、市場関係者の見方は総じて明るいようです。今号の特集で紹介した米欧中の機関投資家や、さらに日本経済新聞出版社編「100人のアナリストが大予測 2012株はこう動く!」に掲載したエコノミスト、ストラテジスト、アナリストによると、2012年の日本株はおおむね回復に向かうとの見方が少なくありませんでした。詳しくは両方の書籍をご一読いただきたいと思いますが、震災復興予算による内需拡大、さらに円高メリットを生かした海外企業M&Aなどで事業拡大を目指す企業の増加など、日本企業の新たな動きに着目している関係者もありました。もちろん、さらなる円高の進行や欧州危機の深刻化、米国景気の腰折れなどの不測の事態が起きれば、シナリオは修正しなければならないでしょう。
干支にちなんだ相場の格言として「辰巳天井」という言葉があります。辰、及び巳年には相場が上昇し天井を付けるというもので、確かに12年前の2000年はITバブル、さらに12年前の1988年は不動産バブルの真っ只中で、翌89年に日経平均は最高値を付けました。当時とは経済情勢ががらりと変わっていますし、バブル再来を望むわけにもいかないでしょうが、それでも若干の期待が持てる年になるのでしょうか?様々な困難に直面し、新たな成長モデルを構築し始めている日本企業は、確かに増えているようです。潮目の変化に備え、そうした銘柄を選ぶ目を鍛えておく必要があるでしょう。(編集長・佐)

